映画『パンにジャムをぬること』

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2020-11-24 16:00:00 〜 2020-12-01 15:59:59
監督:瀬浪歌央
俳優:大塚菜々穂
MC:夏美沙和
Asst.:月日

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作品情報

瀬浪歌央(監督)

1997年生まれ、愛知県出身。鈴木卓爾監督『嵐電』(19)に助監督として参加。初監督作品短編『パンにジャムをぬること』(19)は、GYEONGGI FILM SCHOOL FESTIVAL 2019 Asian Student Films、東京ろう国際映画祭公募部門に選出された。
初長編作品『雨の方舟』(20)は、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2020にノミネートされた。

「パンにジャムをぬること」

大学1年生の琳が、耳の聞こえない女の子・すみれと出会う。互いの違いや共通点を見つけ、二人が心を通わせていく。

出演者

監督 瀬浪歌央
俳優 大塚菜々穂
MC 夏美沙和
Asst. 月日
 

QUESTIONNAIRE

1.この映画を撮ったきっかけはなんですか?
京都造形芸術大学の3回生のゼミで、この作品の主役である瀬戸さくらと出会いました。その時、彼女が「耳の聞こえない人が頑張らない映画が見てみたい」と言っていた一言が、私の中で忘れられず、引っかかっていたことが1番のきっかけです。その後、彼女にインタビューをしていくうち、ピアノやバレエを習っていたこと、一人で海外旅行をするなど、私が想像していなかったことを次々と知り、とても面白いと感じたことからこの作品が始まりました。

2.影響を受けた作品・監督はいますか
鈴木清順監督の『ツィゴイネルワイゼン』、青山真治監督の『ユリイカ』、勅使河原宏監督の『砂の女』、小栗康平監督の『死の棘』、小津安二郎監督、ウェス・アンダーソン監督、ジム・ジャームッシュ監督など…描きたい作品によって沢山あります。
また、大学時代の教員である鈴木卓爾監督、プロデューサーの仙頭武則さん、編集の鈴木歓さんから受ける影響は大きいです。

3.普段どんな時にアイディアが生まれますか
日常生活を送っている時に、誰かの話す言葉や行動などの中に、今まで気づかなかったことに気づいた瞬間や、何かに疑問を感じた時です。
その時に、映画を観たり本を読むと、さらにアイディアが膨らんでいきます。

4.作品へのこだわりがあれば教えてください
「衝動」を最後まで大切にすることです。再考していくうちに、物語が変わっていくことや、
考えていたことが色々な条件によって叶わないことももちろんある中で、その作品を作るに至った「衝動」は忘れてはいけないなと思っています。

5.今回の作品で一番苦労した点を教えてください
耳の聞こえない主人公の音に寄り添うという点です。
すみれに聞こえている音を私たちが100%理解することも、表現することも出来ないけれど、それでも、すみれに聞こえている音に寄り添ってもらう、想像してもらうには、どのような音の表現をしていこうか…というところに苦労しました。

6.今後どのような作品を作っていきたいですか
観てくださった人が、日常にある今まで目を向けていなかった世界を、想像し始めるような作品を作っていきたいです。
日常では観られない世界を描きつつ、あくまで日常である、自分の世界に落とし込めるギリギリを攻められる作品作りをしていきたいです。

7.撮影現場について、スタッフ・キャストとのコミュニケーションはどのようにとっていますか。
スタッフ・キャスト共に、その時に伝えたいことは周りを気にせず話したいので、大切なことは一対一、もしくは部署と私、で話をしていました。
また、学生でやっていたので人手が足りていない時は、スタッフ・キャスト全員で助け合う為に、自分も率先して動くようにしていました。

8.壁にぶつかった時の乗り越え方を教えてください
とにかくぶつかりまくることと、人の手を求めてみることです。
壁にぶつかることで生まれる物は多くあると私は思っているので、ぶつかった方が良い時は、とことんぶつかろうと思っています。その中でも、私はなかなか人に頼ることが苦手なので、周りの人を信じて助けを求める勇気も大切で。自分一人で出来ることなんてたかが知れていますし、手を差し伸べてくれた人から学ぶことも多いと感じています。
ただ、その判断は、ぶつかった壁が、人や物事・作品に対して、自分が誠実であった上で生まれたものか否かということだと思っています。