『あしたのSHOW』がプラットフォームになって再スタート!

2020/10/13

2017年4月から2019年12月までTOKYO MXにて放送されていた『あしたのSHOW』
毎週1本、厳選された良質なインディーズ作品を紹介すると共に、監督やプロデューサー、出演者から作品の制作秘話などが聞けるという画期的な番組でした。
2020年1月から番組は発信の場をネットに移し、日本のインディーズ映画業界を盛り上げるため様々な試みを行っています。
『あしたのSHOW』から世界的に認められる作品を
今回は『あしたのSHOW』の活動内容や試みについて紹介していきます。

・『あしたのSHOW』のこれまでと目標

前述の通り『あしたのSHOW』は、昨年の年末までTOKYO MXで放送されていました。
毎週、地上波でインディーズ作品が観れるということで、映画製作者や映画ファンので話題になりましたが、実は番組には地上波放送だからこその問題も生じていたのです。

地上波放送の『あしたのSHOW』が抱えていた問題、それは決められた放送時間と表現の規制についてでした。
テレビ放送ですので放送時間の枠が決まっているため、作品によっては泣く泣く監督や製作者の方に本編のカットをお願いしないといけないということもありました。

またインディーズ映画の魅力の1つとしては、テレビや商業映画にはない自由で挑戦的な演出があげられます。
しかし地上波放送となると、その魅力の1つのはずの演出や表現がテレビ的にNGという場合もあるのです。
作品の趣向が変わってしまうと理解しながらも、放送のために苦渋の思いで編集のお願いをすることもありました。

そのような問題をクリアするために、自由度の高いネットに移すことを決意し、2020年に新たな映像配信プラットフォームとして『あしたのSHOW』は生まれ変わったのです。
地上波放送の時代から2020年10月3日現在で紹介した作品は167本、出演していただいた監督、プロデューサー、俳優は172人。
もちろん、これからもその数は増え続けます。
そのためにも現状には満足することなく、新しい試みを計画中です。

映画に関わる全ての人の力で日本のインディーズ映画を育て、近い将来には『あしたのSHOW』から世界的に認められる作品を発信していくことを、私たちは目標にしています。

・映画界の目を背けてはいけない現況

『あしたのSHOW』の誕生の裏には、日本の映画業界の厳しい状況が大きく影響しています。
映画業界で働く人々にアンケートを取ったところ70%前後の人々が「映画製作を継続している理由」は「この仕事が好きだから」「映画が好きだから」という映画への強い想いからでした。
業界の多くの人が映画への情熱、誇りを持っていると同時に、労働環境、賃金、将来への不安を抱えています。

始発も出ていない早朝から日付が変わる時間、下手すると翌朝まで働くことさえも珍しくない状況にも関わらず、安定した賃金や将来の保証もなく、心身ともにボロボロになってしまい、結果的に業界から離れてしまう若者も少なくはありません。

業界で働く人間が「映画が好きだから」という情熱や誇りをいいように食い物にされてしまっていることに危機感を覚えるどころか、それが「当たり前だ」だとか「美談だ」とかと思い込まされることによって、無理やり成り立っているのが、今の日本の映画業界の現状なのです。

日本の映画業界は、もはや崩壊寸前といっても過言ではありません。
そうなる前に『あしたのSHOW』は業界に一石を投じていきたいと思っています。
日本で映画製作を継続するためにも労働環境や賃金の改善は必要不可欠です。
このような問題の解決にも『あしたのSHOW』は着目し、新たに地上波番組から配信プラットフォームとして移り変わったのです。

・『あしたのSHOW』だからできること

『あしたのSHOW』では毎週火曜日に最新作を配信しています。
作品の視聴は、もちろん無料です。
しかし製作者には1週間分の配信料が支払われており、スタジオに来ていただいた際には交通費も別途お支払いしています。
後々には視聴者の方が応援したい作品や製作者を直接応援できる「投げ銭制度」の仕組みを取り入れていくことを計画しており、現在、申請中です。
また映画のグッズ販売なども手掛けていく予定で、投げ銭制度とともに収益の90%を製作者に還元し、収入面でのサポートも目標としています。

製作者の金銭的サポート以外にも『あしたのSHOW』は「クリエーターとの出会い」「新たな映画との出会い」「新たな自分自身との出会い」を志したプラットフォームとして、製作者と視聴者の方を結びつける画期的なサイトの構築を目指しています。
視聴者参加型で、映画の価値を決めていけるように、そして自由に作品を応援できるように、評価システムやコメントシステムの設置、また視聴者の応援によってクリエーターが新たな作品を作るチャンスが生まれる企画なども計画中です。

今までインディーズ映画を世に出すための手段は、映画祭へのエントリーやインディーズ映画を専門とするミニシアターの上映が主流でした。
しかし、これらの方法は作り手側に金銭的な負担がかかってしまうことは意外に知られていません。
実際に、映画祭へエントリーするのにも費用がかかる場合も多く、入賞したからといって大々的にプロモーションしてくれるということは稀です。
むしろ劇場上映のために、さらなる金銭負担を強いられる場合もあります。
もちろん全ての映画祭やミニシアターでの上映で、このような金銭的な負担が発生するわけではありませんし、映画祭やミニシアターでの上映がきっかけで、有名になったり、記録的なヒットを遂げた作品もいくらでもあります。

ただ『あしたのSHOW』では、何よりもクリエーターの皆さんの金銭的な負担は一切かかりません。
そしてダイレクトにファンを獲得することも可能です。
また『あしたのSHOW』は作品の権利を買い取るわけではありませんので、作品の営業活動に支障が生じることがないので、『あしたのSHOW』以外にも作品の普及活動は自由に行っていただけます。
ただし映画祭によっては、公開後の作品はエントリー対象外になる恐れがありますので、その点だけはご注意ください。

・『あしたのSHOW』の新しい試みが10月始動!

今年1月、地上波放送から配信プラットフォームに生まれ変わった『あしたのSHOW』
10月からは今まで準備していた新たな試みの数々が10月から始動します。
その1つはホームページのリニューアル。
より視聴者と作品、製作者が繋がるシステムや新企画を導入し、新しいプラットフォームの形を構築していきます。
また10月5日からは石川県、富山県のフジテレビ系列局と日本テレビ局系列局でCMが開始!
地上波にCMが流れることで、『あしたのSHOW』のさらなる知名度アップも期待できること間違いなし。
そして10月以降には、投げ銭制度の開始も予定しています。

地上波放送からプラットフォームに変わっても『あしたのSHOW』の願いは変わりません。
厳選した良質な作品を多くの人々に届け、日本のインディーズ作品を世界で誇れるものにする、そして業界と製作者の生活を少しでも改善していくことです。
そのためにも『あしたのSHOW』は映画を愛してやまない人々と、そして作品が繋がる場とチャンスをこれからも提供し続けていきます。